AIで営業は「速く」なったが「売れて」いない 資料作成の時短50.9%に対し、成果直結は平均6.0%


AI活用度と「人の力」が営業成果に与える影響を検証
教育DXと教育機関の経営に特化した日本初のフルオンライン専門職大学院「教育テック大学院大学」(埼玉県入間市、学長:竹村治雄)が、グローバル人材・組織開発コンサルティングを手がけるウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:根岸正州)と共同で「AI時代の営業力調査2026」を実施しました。対象は営業職で、AI活用成熟度、対人営業力、自己成長力の3つと営業成果との関係をまとめて検証しています。
両者によると、営業担当者のAI活用度と人的能力(対人営業力・自己成長力)が営業成果に与える影響を統計的に検証した公開調査・研究は、今回が日本初です。これは2026年9月5日時点の両者の調べによるもので、「AIはどれくらい使われているのか」(AI活用成熟度)と「成果を上げる営業人材にはどんな特徴があるのか」(対人営業力・自己成長力)を同じ調査で測り、複数の営業成果との関係を統合的に統計検証したものとして日本で初めてとしています。

調査から見えた4つのポイント
AIの効果は「効率化」が中心、業績への直結は平均6.0%
AI活用で「特に効果を感じた項目」として最も多かったのは、「資料・提案書の作成時間短縮(50.9%)」や「情報収集の短縮(27.5%)」といった業務効率化でした。一方、「受注率の向上(5.2%)」「案件単価の向上(4.6%)」など業績成果に直結したと答えた人は平均6.0%にとどまり、ツールを導入しても成果につながるとは限らない実態が明らかになりました。
「AI協働型」は成果向上の実感が2.7倍
AI活用成熟度と対人営業力がともに高い「AI協働型」の層では、成果の向上を実感した割合が48.8%となり、両方とも低い層の17.8%と比べて2.7倍でした。調査では、AIを操作するだけでなく、顧客の潜在ニーズをつかみ信頼関係を築く対人能力が掛け合わさることで、AIの効果が最大化されるとしています。
生まれた時間を「顧客の深掘り」に使えているか
対人営業力とAI活用の両方が高い層は、AIによる効率化で生まれた時間を「顧客課題のリサーチや提案の深掘り」に充てる割合が41.4%に上りました。両方が低い層(7.3%)の5倍以上にあたります。
差を分けたのは自ら学び続ける「自己成長力」
自己成長力が高い層は、低い層に比べて成果向上を実感した割合が有意に高く(52.2% vs 38.6%)、AIの出力をそのまま受け入れず、検証しながら活用する傾向も見られました。AI時代において、目的や問いを自分で設定し、学びを更新し続ける姿勢が個人の市場価値を左右することが実証されたとしています。

研究担当者が語る「AI時代に人に問われる力」
教育テック大学院大学の山田恒夫教授は、パーソナル化したAIエージェントは営業担当者にとって有能な参謀にも秘書にもなる存在であり、人とAIがともに学び成長していく時代が始まっていると述べています。そのうえで、AIに任せる仕事と人間の役割が明確になるなか、人間に問われるのは的確な目標や問いを示す力と、解決策に向けた独創的な判断だとしています。
ウィルソン・ラーニング ワールドワイドの執行役員・加山祥三氏は、AIが営業活動にさらに浸透すれば、AIの使い方そのものによる差は小さくなっていくと指摘します。成果を分けるのは「AIに何をインプットするか(顧客情報の量と質)」と「AIのアウトプットをどう見極めるか(目利き力)」であり、顧客のそばで質の高い情報を得られる対人営業力と、仕事を通じて自ら学び続ける自己成長力を持つ営業担当者の価値が、AI時代により高まっていくとの考えを示しています。
教育テック大学院大学は「教育学」「経営学」「情報学」の3領域を横断し、テクノロジーを活用して現場や組織経営の課題を解決するリーダーを育成する専門職大学院です。同学は、生成AIなどが普及する社会ではツールの利活用スキルにとどまらず、人間ならではの対人関係能力、問いを立てる力、生涯にわたって学び続ける「自律的リスキリング力」が欠かせないとし、社会人が働きながら学べる実践的なカリキュラムを通じた人材育成と産学連携研究を今後も進めるとしています。
調査概要
- 調査名:AI時代の営業力調査2026
- 調査主体:ウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社、教育テック大学院大学(共同調査)
- 調査実施機関:株式会社インテージ
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2026年8月26日~8月28日
- 調査対象:全国の20〜69歳の営業職(営業担当者841名、営業管理職216名)
- 有効回答数:1,057名(本分析対象:営業担当者841名)
出典:学校法人OCC












